暴風・波浪
10月5日
08:30(これより船体は走錨状態となる)
避航するため揚錨作業開始。しかし、油圧作動の揚錨機が作動しない。
油圧配管系統の点検作業開始。
08:48
機関を使用し避航作業にあたるが、走錨が続く。
09:30
油圧配管より作動油の漏洩が発見される。油圧配管の復旧作業開始。
13:10
油圧配管の復旧作業が終了。
揚錨を開始したが半節巻上げたところで、機関室より機関排気温高温警報が発報したとの連絡を受ける。
直ちに機関の回転数を下げる。
13:35
機関は長時間過負荷状態にあったため2番筒にブローバイガスの吹き抜けが起こる。
燃料の緊急遮断により鎮火。
13:39
2番筒の減筒作業にあたる。
この間、機関は停止となり大きく走錨する。
14:36
2番筒を減筒し、運転開始(減筒運転)
揚錨作業を開始したが逆に全節の13節が繰り出される結果となる。
(ウィンドラスはブレーキ容量を超えると、繰り出される構造となっている。)
機関全速前進により錨鎖巻き上げを試みるが、機関排気温の上昇により揚錨作業を断念。
16:05
錨鎖の切断にあたる。
16:50
錨鎖の切断完了と共に機関全速前進・面舵一杯としたが、舵効が得られず、暴風・高波によって操縦不能に陥る。
17:20
水深16mの浅瀬に乗揚げ、7番ハッチと8番ハッチの間に亀裂が発生。
10月6日
03:00
船体分断
自分なりに内容をほじくった解釈
事故当時、想像したのは、2点の状況(火災・ボースンストアに人)から、悪天時での高負荷運転+アンカー巻上げによるウィンドラス作動負荷=主機関が負けたのか?と考えていたのですが、実際には油圧配管が最初に負けたことによる、避航作業の遅れが…のようですね。
油圧配管内錆の早期発見、錆びたら取り替える!
MOの本船は、このような事故が発生したので、全船自主点検を行い、配管部分の新換えをした船が多いのでしょう。バルカーだからハッチカバー部も。